絶望の国の幸福な若者たち

2011-11-22:Tue ◇ 読書

私的にイチオシの東大大学院に在籍中の若き社会学者、
古市憲寿くんの新刊です。
20日付北海道新聞の書評欄にも載りました。

絶望の国の幸福な若者たち絶望の国の幸福な若者たち
(2011/09/06)
古市 憲寿

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このひとの文章に、生理的に訴える音律があるのはどうして?

と思ったら・・・

高校時代に詩のコンクールで入賞して慶應にAO入学、
大学時代になりゆき(?)で社会学を専攻し、
留学先がノルウェーで、
卒論が「北欧の育児政策」だったらしい。

なるほど、詩を書く人の文章なんだな、
ベースとしているテーマに子どもと消費があるんだな、と納得。

本人も書いてるけど、
この本の材料に「特別」なものは何もない。
けれども既存の資料やデータから、
当事者である若者でなければひっぱりだせない結論が導かれている。

彼にとって「健康で文化的な最低限度の生活」とは、
WiiやPSPが買えて、それを一緒に楽しむ恋人や、
モンスターハンターができる仲間がいるということ。

貧困は未来の問題で、承認は現在の問題。
SNSやツィッターなどのソーシャルメディアでお手軽に承認欲求を満たし、
家族というインフラに、経済大国としての遺産もある。
「今ここ」を生きているかぎり幸せ。

格差が固定してしまえば、反対に幸福度はたかまる。
財政破綻?侵略?それが何?
日本が戦争を始めます、といっても、
みんなで逃げちゃえば戦争にはならない。

これからの日本の道筋は彼らに任せればいいんだと思う。

著者は補章で、佐藤健くんと対談してます。
ま、私的にはここが一番の目的だったりするんだけど・・
実は古市くんと健くんは高校の同窓生。
県下有数の進学校なのに大学に行かず、
恣意的にコンサマトリーな幸せを選びとった健くんの言葉から、
象徴的な今の若者の姿があぶり出されています。

古市くんの書いた本↓

遠足型消費の時代 2011.7.7

希望難民ご一行様 2011.1.24


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