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ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

2019.12.24 23:24|読書
日本人(イエロー)の母とイギリス人(ホワイト)の父の間に生まれた著者の息子が、
カトリックの小学校から公立の「元底辺中学校」に進学。
そんな息子や友人たちの中学校生活を綴ったエッセイです。



ブレイディみかこですから、
視点はポリティカル・コネクトレスやソーシャル・レイシズムにあるのですが、
子どもたちはそんなことおかまいなしにたくましく先に進んでいく。

人種差別的な発言をする同級生を「バカなの?」という息子に対し、、
「バカと無知は違う。知らないことは知る時がくれば無知ではなくなる」という母。
「多様性はいいことなのに、どうしてややこしくなるの?」
「多様性は喧嘩や衝突が絶えないし、無いほうが楽だけど、
楽ばっかりしてると無知になる。
多様性は無知を減らすからいいことだとかあちゃんは思う」
こんなやりとりを母親と日常的にしている思春期息子は、
多様性の乏しい日本ではどれくらいいるんだろう?

英国の公立学校教育には「演劇」と「ライフスキル」という科目がある。
ライフスキルとは要するにシチズンシップ・エディケーションのこと。
中1の試験問題が「エンパシーとは何か」「子どもの権利を3つ以上あげよ」
LBGTQも人工授精も授業に取り上げられる。
わが国の高校で導入される「公共」ではどこまで盛り込むつもりなのでしょうか。

シンパシーとは同情や共感のように自然に湧きだしてくる感情のこと。
エンパシーは他人の経験や感情を想像し理解する知的能力のこと。
この2つは全く違う。
私は相談者に感情移入することがないのでやさしくない性格だと思っていたけれど、
相談員に必要なのはシンパシーではなくエンパシーなんだ。
中学1年生が授業で教わることが今ようやく理解できました。

「老人はすべてを信じる。 中年はすべてを疑う。 若者はすべてを知っている」
と言ったのはオスカー・ワイルド。
中学生の子どもたちの発言や行動から知を得ようとする著者の姿勢がクールです。

ブレイディみかこのレビューはこちら

子どもたちの階級闘争 2018.11.11
そろそろ左派は経済を語ろう 2018.11.9

 

史実を元にした「女たちのテロル」も読んだけど、
子どもを描いた「イエロー」のほうが温度や湿度がダイレクトに伝わって断然よかったです。


テーマ:オススメの本の紹介
ジャンル:本・雑誌

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専門は子育て&消費生活。
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