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愛という名の支配

2019.12.18 23:27|読書
ジャーナリストの伊藤詩織さんが、
元TBS記者の山口敬之氏に性的暴行を受けたと訴えた裁判で勝訴しました。
支援してきた女性たちは溜飲が下がったことでしょう。
裁判官も男性なら法律を作る政治家や官僚も男性のこの国で、
女性が理不尽さに口を塞がれてきた時代が連綿と続いてきたのです。



90年代のフェミニズムの旗手、田嶋陽子
1992年の単行本が令和元年の今年、復刊されました。
50代以上なら、
「ビートたけしのTVタックル」で吠えまくっていた著者を覚えている人も多いんじゃないかと思います。

実は私、均等法成立の時、
大手電子機器メーカーの労組の婦人部長だったのよ。
本質的な男女平等とは何か理解しているつもりです。

当時、テレビで男性の論客から揶揄されながら真っ向から勝負を挑み続けた田嶋さん。
私はすべての女性の人権を背負いながら孤軍奮闘する彼女を、
申し訳ないような痛々しいような気持ちで見ていました。
それを茶化してドンキホーテにしようとするマスコミの知性のなさと男性の感性の乏しさが情けなかったです。

田嶋さんの発言は頭でっかちなイデオロギーじゃなくて、
血肉から湧き出るようなフェミニズムだった。
その理由がこの本を読んでわかりました。

バックグラウンドが四半世紀前の状況だから急尖的な表現もあるけど、
母娘の確執やDVいじめの構造を読み解く第一章や、
家族から、男性から、社会から受けてきた抑圧を脱ぎ捨て、
自分の人生を生きることについて語る第五章、第六章はちっとも古くなっていません。
ようやく時代が田嶋陽子に追いついてきた感。

人生の幹は、「自分のパン代を自分で稼ぐ」こと。
仕事は変わってもいいけど、働くことをやめてはいけない。
恋愛も結婚も子育ても、そこから生い茂ってくる枝葉のようなもの。
自分の人生をめいっぱい生ききれていない人の愛は、
支配的になる。

引用したい箴言はたくさんあるけど、
あとは本書を読んでね。
比喩を多用したですます調の語り口でとても読みやすいから。

関連過去ログ↓
女性のいない民主主義 2019.12.12
フェミニストとオタクはなぜ相性が悪いのか 2018.5.6
醤油と薔薇の日々 2014.3.8
男のおばさん、女のおじさん 2012.9.2
女性議員の割合 2011.6.22
無印ニッポン 2010.4.19
選択的夫婦別姓 2010.1.13


テーマ:政治・経済・社会問題なんでも
ジャンル:政治・経済

タグ:田嶋陽子 フェミニズム ジェンダーギャップ指数 男女平等 DV いじめ

Comment

No title

おはようございます。

ジェンダー・ギャップ指数において日本は121位と極めて残念っていうか深刻な結果になったけど、これは即ち日本は男女平等が遅れているってのを発信してるかも知れないが、何でこうなったのか?

これには教育や福祉において平等な一方で、政治やビジネスにおいて女性リーダーが少ないことが影響したけども、女性のリーダーっていうか政治家を育ててこなかったツケがこういう形で現れたと思うし、また未だに男性優位社会をおかしいと思わない日本社会にも問題は大いにあると思います。令和になって半年以上経つこの頃、まだ男女平等とは言い難い日本の現状を社会全体が恥ずかしいと思わなければならないことから始めたほうがいいと思いますかね。

アジシオ太郎さま

12月12日にご紹介した「女性のいない民主主義」はお読みになりましたか?
ぜひ一読をお勧めいたします。
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