モントリオール映画祭やキネマ旬報で1位、
たぶん日本アカデミー賞も総ナメだろうと評判の映画がこれ。
おくりびと

筋は読めるし、テーマはなんとなく重苦しいし・・・と思っていましたが、
実際観たら全然違う!
いきなり山響音楽監督の飯森範親指揮による第九演奏シーンがでてきて、
思わず知っている人がいないか、
スクリーンの中を探しまわってしまいました。
雪渓の残る鳥海山をバックに、
タンポポが咲く川原の土手でチェロを弾くもっくんの美しいこと。
テーマ音楽は久石譲です。
映画のタイトルに納棺シーンの映像じゃなく、
この絵をもってきていたらもう少しイメージがよかったでしょうに。

庄内平野の田園に群れる白鳥、
藤沢周平の時代映画でおなじみの桜。
やまがたの早春の、湿度まで伝わってきます。

主人公が傷心を抱え、
母親がスナックをやっていた山形の実家に戻るというシチュエーションは、
まんま食堂かたつむりの世界。
「人は食べないと生きていけない。
そして食べるのなら、おいしいほうがいい」というのは、
山形県民の底辺を流れる価値観なんでしょうねえ。

山崎努、余貴美子の配役がとにかく素晴らしい。
この二人が出てくると、伊丹十三の映画を彷彿とします。
吉行和子、笹野高史の柔らかい酒田弁がまたよい。

惜しむらくは妻役(ウェブデザイナー)の広末涼子。
同じ涼子でも米倉涼子とか、松島菜々子とか、松雪泰子とか、
もすこし力のある女優さんのほうが、
都会とのコントラストがはっきりするし、
ラストの「夫は納棺師です」の一言が生きると思うのですが・・・

コミカルななかに涙あり、神妙な中に笑いあり、
まだ間に合うひとはぜひスクリーンに走っていってほしい映画です。
2009.01.10 / Top↑
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