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女の絶望

2009.06.12 21:33|読書
しかし、すごいタイトルだな・・・
オットがギョッとするだけある。

女の絶望女の絶望
(2008/09/20)
伊藤比呂美

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「おなかほっぺおしり」から20年。
伊藤比呂美が、
自身が連載している西日本新聞連載の身上相談を元にしたエッセイです。
この人のことだから、つい身下相談になってしまうんですけれども・・・
「あたしがあたしであること」にこれだけ真摯に向き合い、
借りものではない言葉で語れるひとはめったにいません。

夫婦更年期、子の自立、老い、離婚、孤独、介護・・・
そのまま女性センターの講座のテーマになりそうな内容ですが、
イデオロギーとか、こうあるべき論じゃなくて、
とびきり感度のよいアンテナを持つ著者が
カラダで感じたことしか書かれていないので説得力が違います。
このへん、内田春菊さんとも近い。
でも、もっと知的で、抑制が効いてます。

夫婦だからこそ、話し合えない。
話し合えるのは、カレーの具は何にするか、くらいなもんだ。
多数決で(民主的な)解決は、もともと出ない。
ふたァりっきゃいないんだから。
どっちかが我を通してどっちかが譲るしきゃない。
不満があれば、いきあたりばったりに、
とりあえずの処置をして・・・
どんなに大きな絶望が、ぱっくり口を開けてたって、
行き当たりばったりに、ふさいでいけば、なんとか、なるだろう」(p48)

そうそう、
確か松田聖子が神田正輝と離婚したとき、
「休みをとって互いに向き合ってずっと話あって」離婚を決めた、
と言っているのを聞いて、
「さしで話し合ったりするから離婚になるんじゃないの」と思ったもんです。

「うちは何でも話しあって理解しあうようにしている」と、
自信を持って言うのは、私の知る限りたいてい男性です。
で、妻との間に横たわる、暗くて深い河には気づかない。
無神経に土を盛って埋め立てたつもりになっているだけ。

老後は、夫でもぞうきんでもいいから、いっしょにいたほうがいい」
というフレーズも何べんも出てきます。
一緒にいないほうがいいのは、暴力夫と借金夫だけ。
う~ん、同感。
うちの母も胆で話す人でしたから、
ムスメ時代から同じことをよく言われてました。
母はそれに加えて大酒のみとギャンブル好きもダメだった。
酒は暴力と、賭けごとは借金とセットになるからだと。
おかげさまで三姉妹みんな、
これらと縁のない連れ合いを射とめ、
日々つつがなく暮らしております。

昔はこうした処世の知恵は、
母たちの茶飲み話から、
耳にはいるに任せて仕入れたものですが・・・
核家族になり、隣近所とのつきあいも薄れるにつれ、
親の世代から娘の世代へ、
たいせつなことが伝わりにくくなっています。

個人の生き方への干渉をきらいながら、
どこかでたしかな拠りどころを求めている。

おひとりさまの老後」を読んだって、
ふつうの女にはあまり役に立たないどころか、
絶望を深めるが関の山ですから、
おしゃべりなお母さんやおせっかいなおばさんが近くにいない若い人こそ、
こういう本から知恵を仕入れてもらいたいものです。

おばさん未満」の酒井順子が、
10年たったらきっと同じテーマで書くと思いますよ。






テーマ:夫婦生活
ジャンル:結婚・家庭生活

タグ:夫婦 更年期 老後 離婚 介護

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